消費税について 

基礎から学ぶ消費税申告の実務DVDセミナー

消費税の基本である非課税取引や免税取引、突発的な土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の活用法などなど実務に役立つ内容を整理しました。

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事業者免税点制度の改正|平成23年度改正の概要

改正の狙い

消費税の納税義務は、個人事業者はその年の前々年、1年決算法人はその事業年度の前々事業年度の基準期間における課税売上高により判定されます(消費税法2@十四)。



そのため、基準期間における課税売上高が1000万円以下であれば、当年または当期の課税売上高が数億円あったとしても納税義務はなく、一方、基準期間における課税売上高が1000万円を超えている場合には、当年または当期の課税売上高が数百万円しかなくても課税事業者としての申告義務が生じることになります(消費税法5@)。

しかし、このような制度では、資本金が1000万円未満の新設法人は、設立事業年度とその翌事業年度は基準期間がないため、自動的に免税事業者となり、課税事業者であった個人事業者が法人成りをした場合など、事実上事業が継続している場合でも、設立事業年度とその翌事業年度の納税義務が免除されることになります。

そこで、今回の改正では、事実上小規模事業者といえない新規開業事業者や新設法人などは、1年前倒しで課税事業者とすることになりました。

改正の概要

前年または前期の上半期(特定期間)の課税売上高が1000万円を超える事業者は、基準期間における課税売上高が1000万円以下であっても納税義務を免除しないこととされました。

ただし、前年または前期の月数が7カ月以下の場合には、原則として適用が除外されます(改消費税法9の2@、A、C)。

給与等の支払額による納税義務の判定

事業者免税点制度の改正では、前年または前期の上半期(特定期間)の課税売上高によって納税義務の判定を行います。

しかし、半期ごとの仮決算を組むことが困難な小規模事業者などに対する配慮として、課税売上高に代えて、前年または前期の上半期の給与等の支払額で納税義務を判定することが認められます。

具体的には、特定期間の給与等の支払額が1000万円以下であれば、課税売上高が1000万円を超えていても免税事業者とみなされるのです。

ちなみに、給与等とは所得税法28条1項に規定する俸給、給料、賃金、歳費および賞与並びにこれらの性質を有する給与とされているため、従業員給与や賃金のほかに、役員報酬や雑給などを含めた金額です(改消費税法9の2B)。

なお、基準期間における課税売上高が1000万円を超える場合には、基準期間中の給与等の支払額がどれだけ少なくても納税義務者となります。

新設法人の納税義務

資本金1000万円未満の新設法人は、設立事業年度が7カ月以下の場合、設立事業年度とその翌事業年度の納税義務は免除されます。

設立3期目については、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超える場合には納税義務者となり、1000万円以下の場合には、前事業年度の上半期における課税売上高または給与等の支払額により判定することとなります。

変則的な事業年度の基準期間

法人の基準期間はその事業年度の前々事業年度と定められていますが、決算期の変更により前々事業年度が1年未満となった法人の基準期間は、「その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」と定義されています(消費税法2@十四)。

したがって、設立3期目の基準期間は設立事業年度となりますが、前事業年度が7カ月以下の場合でも、当事業年度前1年内に開始した前々事業年度がある場合には、その事業年度の課税売上により納税義務を判定します。

半年決算法人の納税義務

前々事業年度が1年未満の法人の基準期間は、「その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」と定義されているため、半年決算法人の基準期間は、3期前と4期前の事業年度を合わせた期間になります。

3期前と4期前の課税売上高の合計額が1000万円以下であっても、前々期(特定期間)の課税売上または給与等の支払額が1000万円を超える場合には、当期における納税義務は免除されません。

納税義務を前々事業年度の課税売上高で判定する理由

改正法では、前事業年度が7カ月以下の場合でも、当事業年度前1年内に開始した前々事業年度がある場合には、その前々事業年度の課税売上高により納税義務を判定することとしています。

たとえば、4月1日に9月決算法人を設立して、設立事業年度の翌事業年度に決算月を3月に変更したとします。

この場合、法人を新設した4月1日から9月末日までの第1期は基準期間がないので免税事業者となります。

また、次の10月1日から翌3月末日までの第2期についても基準期間がなく、前期が7カ月以下であるため、免税事業者となります。

次の4月1日から翌3月末日までの第3期については、前々期が1年未満であることから、第3期の開始日の2年前の日の前日から1年間に開始した事業年度が基準期間となるので、基準期間が存在しないことになります。

つまり、もしも前々事業年度の課税売上高で判定する旨の規定がなければ、3期目までの2年間が丸ごと免税事業者となってしまうのです。

納税義務を前々事業年度の課税売上高により判定することには、新設法人が決算期を変更することで、作為的に納税義務を免れることを不可能とする狙いがあるのです。

なお、改正法での正しい納税義務判定は、特定期間である第1期の課税売上高または給与等の支払額によることとなり、課税売上高または給与等の支払額のいずれかが1000万円を超える場合は、基準期間がなくても課税事業者となります。


特定期間に関する規定

前事業年度が7か月以下の法人で、その事業年度の前1年内に開始した前々事業年度があるときは、その前々事業年度開始日から6か月間の課税売上高(その前々事業年度が6か月以下の場合には、その前々事業年度の課税売上高)により納税義務が判定されます。

この特定期間については、次のとおり、改正消費税法9条の2の4項で規定されています。

4 前三項に規定する特定期間とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間をいう。
 一 個人事業者 その年の前年1月1日から6月30日までの期間
 二 その事業年度の前事業年度(7月以下であるものその他の政令で定めるもの(次号において「短期事業年度」という。)を除く。)がある法人 当該前事業年度開始の日以後6月の期間
 三 その事業年度の前事業年度が短期事業年度である法人 その事業年度の前々事業年度(その事業年度の基準期間に含まれるものその他政令で定めるものを除く。)開始の日以後6月の期間(当該前々事業年度が6月以下の場合には、当該前々事業年度開始の日からその終了の日までの期間) 

改正消費税法9条の2の4項三号では、「前々事業年度が基準期間に含まれる場合には、その前々事業年度は特定期間に該当しない」と規定しています。

また、消費税法2条1項十四号で、前々事業年度が1年未満の法人の基準期間について、「その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間」と定義しています。

つまり、前々事業年度が特定期間に該当するのは、その事業年度の前1年内に開始した事業年度がある場合に限られることになります。

なお、前事業年度が1年未満の場合でも、前々事業年度が1年の場合には、その事業年度が基準期間となります。

月の中途で設立した法人

月末決算法人で、前事業年度の開始の日以後6か月の期間の末日が月末でない場合には、その6か月の期間の末日の属する月の前月末日までの期間を6か月の期間とみなして、納税義務判定を行います(改消費税法20の6@一)。

たとえば、1月10日に設立した12月決算法人の場合は、6か月の期間の末日である7月9日の属する7月の前月末日、つまり、6月30日までの期間が特定期間とみなされます。

つまり、1月10日から6月30日までの課税売上高が1000万円を超える場合は、設立2期目でも課税事業者となるのです。

月の中途が決算日の法人

たとえば、1月10日に12月20日決算の法人を設立した場合は、6か月の期間の末日である7月7日の直前の終了応答日である6月20日までが特定期間とみなされます(改消費税法20の6@二)。

つまり、1月10日から6月20日までの課税売上が1000万円を超える場合に、設立2期目でも課税事業者となります。

決算期を変更した法人

改正法での納税義務の判定は、直前期が7カ月以下の場合には、原則として1年以内に開始した前々期の開始日から6か月の期間が特定期間となります。

この場合、前々期が6か月以下でも、その前々期が特定期間となり、特定期間中の課税売上高により納税義務を判定します。

しかし、前々期が6か月以下の場合で、前期が2か月未満の場合には、その前々期は特定期間に該当しないものとみなされます。

たとえば、2月1日に4月決算法人を設立して、その翌事業年度に決算期を5月に変更したとします。

この場合、設立3期目である6月1日から5月31日事業年度の前期は5月1日から5月31日の1ヵ月、つまり、2ヵ月未満です。

また、その前々期は2月1日から4月30日の3ヵ月、つまり、6か月以下となり、この場合の前々期は特定期間には該当しないことになります。

そこで、当期の納税義務は免除されることになります。

改正法の適用時期

改正法は、納税義務を判定するその年またはその事業年度が平成25年1月1日以降に開始するものについて適用されます。

つまり、個人事業者は平成25年分からの適用となり、平成25年分については、平成23年中の課税売上高が1000万円以下の場合でも、平成24年1月1日から6月30日までの課税売上高と給与等の支払額のいずれもが1000万円を超えていると課税事業者となります。

また、3月決算の法人の場合なら、平成25年3月決算期までは旧法の適用となり、改正法が適用されるのは平成26年3月の決算期からとなります。

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